企業の皆様の運営上の様々な法律問題について弁護士がサポートいたします。顧問弁護士をお探しなら、ホライズンパートナーズ法律事務所まで

契約書・労務問題・債権回収等の中小企業の法律相談はこちら 東京の弁護士による企業法律相談  

東京都港区西新橋1-6-13 柏屋ビル9階 ホライズンパートナーズ法律事務所



アクセス

 
新橋駅 徒歩8分
虎ノ門駅 徒歩3分
内幸町関 徒歩3分
霞ヶ関駅 徒歩4分
虎ノ門ヒルズ駅 徒歩7分
受付時間
平日 9:30~20:00

ご相談予約・お問い合わせはこちらへ

03-6206-1078

【最高裁判決 歩合給と割増賃金】ホライズンメールマガジン▼第197号 2020/04/03

▼第197号 ホライズンメールマガジン

----------最高裁判決 歩合給と割増賃金

2020/04/03
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

毎週金曜日発行

 

■■■INDEX──────────────────────────────

 

1.最新トピックオピニオン

2.今週のオススメ

3.近況報告

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

1.最新トピックオピニオン

 3月30日、歩合給に関する時間外手当の支給の有無を巡って争われていた事件で最高裁が新たな判断を示した。いわゆる国際自動車事件である。

 

 報道 https://digital.asahi.com/articles/ASN3Z6STHN3ZUTIL014.html

 判決原文 https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/433/089433_hanrei.pdf

 

 給与規程の概要が非常に細かくわかりにくいので、詳しくは判決文原文にあたっていただければと思うが、簡単に説明すると、歩合給を決定するにあたって、時間外労働が発生している場合には割増賃金の部分を歩合給から控除する形になっており、労働時間によって総支給額が変わらない形にしている給与規程が有効化が争われたケースである。

 

 実はこのケースは最高裁では判決が言い渡されるのは2回目である。

 当初、地裁と高裁では、このような規定自体は公序良俗に反するので当然に無効であるとする判決が言い渡された。

 これに対し、最高裁は1回目の判決では、公序良俗違反として当然に無効になるわけではないと判断した。

 つまり、歩合給を定める上で、時間外労働があった場合に歩合給の支給額から割増賃金を支払ったこととする規定自体は有効となることは認められたのである。

 ただ、これに関連して、「当該定めに基づく割増賃金の支払が同条の定める割増賃金の支払といえるか否かは問題となり得る」としており、その判断要素としては、「本件賃金規則における賃金の定めにつき,通常の労働時間の賃金に当たる部分と同条の定める割増賃金に当たる部分とを判別することができるか否か等」が問題となるとしていた。

 これまで固定残業代を巡る裁判などでも繰り返し問題となっている、通常の賃金部分と割増賃金部分の区別の問題として扱うことを示したのである。

 

 この第1次上告審判決を受け、あらためて高裁が判決を言い渡し、結論として未払賃金はないとの判断を示したことに対し、労働者側から上告がされて言い渡されたのが今回の判決である。

 結論として、割増賃金が支払われていないとする根拠とされたのは、通常の賃金部分と割増賃金部分とが区別されていないという点であり、その根拠は「本件賃金規則における割増金は,その一部に時間外労働等に対する対価として支払われるものが含まれているとしても,通常の労働時間の賃金である歩合給として支払われるべき部分を相当程度含んでいるものと解さざるを得ない」とする点にある。

 

 今回の判決で押さえておいていただきたいポイントとしては、ある手当が時間外手当の趣旨で支払われているか否かが争われた場合に、その手当の趣旨を判断する方法についての判断部分が重要になる。

 この点について、手当が割増賃金の趣旨で支払われているか否かは,「当該労働契約に係る契約書等の記載内容のほか諸般の事情を考慮して判断すべきであり、その判断に際しては,当該手当の名称や算定方法だけでなく,(労働基準法の趣旨を踏まえ)当該労働契約の定める賃金体系全体における当該手当の位置付け等にも留意して検討しなければならないというべきである」とされたのである。

 

 賃金規程で割増賃金の支払をどのように定めるかについては重要な判決となるだろう。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

2. 今週のオススメ

 当事務所では毎週水曜日に「ホライズンのオススメ!」を更新しています。

【ホライズンのオススメ!№205】神田伯山ティービィー
 >>> http://www.horizon-law.jp/news/kandahakuzan-tv/

 今回は高井弁護士のオススメ、講談師の神田伯山氏のYoutubeチャンネル「神田伯山ティービィー」です。なんと1月に行われた19公演が全て見られるそう。講談を聞いたことがないという方も一度聞いてみてはいかがでしょうか。

 

※ 最新の更新情報は当事務所のFacebookページでもお知らせしています。
ぜひ「いいね!」をお願いします。
 >>> https://www.facebook.com/HorizonLawOffice/

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

4. 近況報告

 新年度にもかかわらず重苦しい状況が続いておりますが皆様いかがお過ごしでしょうか?弁護士の高井です。

 最近は世界的に外出禁止や自粛などが要請されている関係で、ネットのトラフィックが増え続けているようです。YouTubeも画質を落としたみたいですし。

 私もとりあえず出来る限り家の中でおとなしく、今週おすすめした神田伯山ティービーを見たりしながら過ごしています。

 

 さて、そんな中、今回は最高裁判決をご紹介しましたが、なかなかメルマガで書いてもわからないよ!というところかと思います。

 そこで、このメルマガの読者の方を対象に、固定残業代について、オンライン勉強会を開催したいと思います。オンライン?と思われるかもしれませんが、最近流行のZOOMというシステムを使って実施したいと思います。別に怖くないです!多分誰でも簡単に使えます!詳しくはまたあらためてお知らせしますが、今のところ予定では4月20日(月)18時半から実施予定です。あ、もちろん参加費は無料。移転前最期の勉強会です。ぜひご予定ください。
というわけで今週はこのあたりで。

 今後ともよろしくお願いします。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ご友人などへの転送はご自由にどうぞ!
ただし著作権は当事務所に帰属しますのでその点はご注意を!
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

バックナンバーはこちら
http://www.door-kigyouhoumu.net/mailmagazine

───────────────────────────────────

■ 発行元:ホライズンパートナーズ法律事務所

【事務所公式】
http://www.horizon-law.jp/
【Facebook】
https://www.facebook.com/HorizonLawOffice/
【スタートライン人事労務】
http://www.roumu-startline.net/
【企業法務の扉】
http://www.door-kigyouhoumu.net/

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ホライズンのメールマガジン(無料)

ホライズンパートナーズ法律事務所では週1回、メールマガジンを発行しています。当サイトの企業法務TOPICS更新情報のほか、企業法務等に関する近時のニュースや最新判例を弁護士の視点で解説します。ぜひご登録ください。

法律相談のご予約・お問合せはこちら

お気軽にお問い合わせください。

03-6206-1078

電話受付時間:平日 9:30〜20:00

企業運営にかかわるニュースや事例を弁護士の視点から解説するメルマガです

Horizon 労働問題FORUM

定期的な小規模勉強会とセミナーを開催しています。

お問合せ・相談予約

ホライズンパートナーズ法律事務所

03-6206-1078

受付時間 平日9:30~20:00