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【残業代の時効の問題にどう取り組むか?】ホライズンメールマガジン▼第158号 2019/06/21

▼第158号 ホライズンメールマガジン

----------残業代の時効の問題にどう取り組むか?

2019/06/21
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毎週金曜日発行

 

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1.最新トピックオピニオン

2.今週のオススメ

3.Horizon労働問題フォーラムのお知らせ

4.近況報告

 

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1.最新トピックオピニオン

 残業代の消滅時効に関する議論で、厚労省の有識者会議は時効の延長を促す方向の報告書をまとめたという報道がなされている。

 https://digital.asahi.com/articles/ASM6F41RKM6FULFA00H.html

 

 このメルマガでも何度か取り上げているテーマではあるのだが、いよいよ報告書がとりまとめられてしまったということで、今後、実際の法改正に向けた動きは加速していくことが予想される。今回は、この問題をあらためて考えてみたい。

 

1 時効期間に関する議論が出てきた背景は?

 現在、いわゆる残業代などの賃金債権については労働基準法で時効期間が2年間と規定されている。

 民法では賃金債権の時効は1年間と規定されているところ、1年間では労働者の保護に不十分、という趣旨で、時効期間を延長して、2年間に延長されていた。

 ただ、民法の債権法部分が改正され、2020年4月から新法が施行されることになった。そして、新法では、権利の種類毎にバラバラに規定されていた時効の期間が原則として5年間に統一されることになった。その結果、賃金についても、民法の規定では時効期間は5年間とされることになったのである。

 そうなると、現在労働基準法で規定している2年間という期間は、民法の時効期間を短縮する方向での規定ということになる。

 元々、労働者を保護するために期間を延長していたはずの規定が、逆に期間を短縮する方向になるのはおかしいのでは?ということで、労基法の規定をどうするか、について議論が行われるようになったのである。

 

2 時効期間を短くすべき特殊性とは?

 このように聞くと賃金について、他の権利とは区別して論じる必要性は無いのでは?と考えられるかもしれない。

 ただ、賃金の場合には他の権利とは明らかに異なる特殊性がある。

 特に残業に関してであるが、時間単位で、日々刻々と発生していくものであるため、争いになった場合、その確定にきわめて多大な労力がかかるという特殊性である。

 

 つまり、例えばお金を貸した、というケースや、物を売った、というケースの場合、請求する側はお金を渡したか否か、売ったのか否か、という形で争いになるにしても極めてシンプルな形で争いになる。単純に言ってしまえば契約書や納品書、受領証といった書面があれば、その部分の争いはある程度決着がつく。

 ただ、労働時間の場合は争いになった場合は、そのようなシンプルな争いではすまない。

 例えば労働者側が6月21日は9時から20時43分まで働いた、6月24日は8時34分から21時58分まで働いた・・・といった形で主張し、雇用主側はいや、この日は6月24日は19時13分には退社している、24日は19時以降は任意の研修なので労働時間ではない、といった形で延々と争いになっていく。

 年間労働日数を250日とした場合、その争いにかかる労力は想像を絶するものとなる。
まして、5年前となれば、転勤をしたり、パソコンなども入れ替わったりと証拠の確保は極めて困難になってくる。

 非常に切実な問題である。

 

3 最近の紛争の実情とは?

 もっとも、このようにいうと、いやいやもともときちんと支払っていない会社が悪い、という反論が当然やってくる。

 確かに、働かせ放題のような形で、なにも考えずに残業代も払っていないような会社は問題があるのは当然である。

 ただ、最近の残業代請求の争いの実情はそんなシンプルなものではない。

 最近は、企業がある程度の労働時間管理を行い、きちんと残業代も支払っているにもかかわらず、それを上回るような請求がされ、争いになっているケースが珍しくない。

 そうした中で、さらに先ほど述べたような、部署移動やパソコンなどの資料も散逸していることが予想される状態で反論をしていくことは極めて過酷なものとなってしまう。

 そうであるからこそ、諸外国でも賃金については時効期間を短くして、早期に権利関係を確定しようとしている例が多いのである。

 

4 まとめ

 以上の次第で、基本的に時効期間を現在よりも延長することは反対である。

 ただ、実際の問題として、延長の方向性が示された以上、時効期間が延長される可能性は高い。

 企業としてはこれまで以上に適正な労働時間管理を行っていくことが求められるところである。

 

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2. 今週のオススメ

 当事務所では毎週水曜日に「ホライズンのオススメ!」を更新しています。

【ホライズンのオススメ! №165】 『キン肉マン「超人」』(学研の図鑑)

 >>> http://www.horizon-law.jp/news/kinnikuman-zukan/

 今回は高井弁護士のオススメ、学研の図鑑シリーズ『キン肉マン「超人」』です。キン肉マンに登場する約700体の超人を分類、詳細なデータとともにフルカラーで掲載されているそうで、ファンはたまらない1冊です。興味のある方は是非。

 

※ 最新の更新情報は当事務所のFacebookページでもお知らせしています。
ぜひ「いいね!」をお願いします。
 >>> https://www.facebook.com/HorizonLawOffice/

 

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3. Horizon労働問題フォーラムのお知らせ

 事務所では『Horizon労働問題フォーラム』として、不定期のセミナーと定期的な勉強会を開催しています。ぜひご参加ください。

 

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■ 労働問題セミナー
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『問題社員に対応するために企業がやって良いこと 悪いこと』

◆日時:7月11日(木)15時~18時
◆会場:AP虎ノ門 11階
◆参加費:一般5,000円、早割 4,000円(6月23日23時59分までのお申込み)
弊所顧問先様は2名まで無料

詳細・お申込みはこちら
>>> https://www.door-kigyouhoumu.net/seminar/20190711

 

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■ 労働問題勉強会2019
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次回の勉強会は9月以降を予定しています。
詳細が決まりましたらお知らせいたします。

 

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4. 近況報告

 早くも6月も終わりそうでびっくりしていますが皆様いかがお過ごしでしょうか?弁護士の高井です。

 先週金曜日に顧問契約をさせていただいている社労士の先生の事務所主催のセミナーで講師を務めさせていただきました。

 テーマは有給休暇!

 有給って法律上の絶対認められる権利なんですよ~というお話から、今年の4月から施行されている有給休暇の取得義務化などの話を含めていろいろとお話をさせていただいたのですが・・・まぁ受講されてる方のレベル感もばらばらだとどのレベルに合わせるかはやはり難しいですよね。

 有給が義務とかいうところで一生懸命メモしている人がいたりすると、話をしながら、え!?なにをそんなに一生懸命メモしてるんだろう・・・とか、眠いから?とかいろいろ思ったりしてしまいます。

 ただ、最近お話をするときに意識しているのは、企業が、どこまではやってよい!ということを明確に示すことが重要なように感じています。

 ともすると、弁護士の労働法セミナーとかですと、これはやっちゃダメです、これもダメです、といった形になりかねないのですが、逆に労働者側の過大な要求に振り回されてしまっているケースも珍しくないので、やはりある程度線引きをしていかないとまずいようには思っています。

 というわけで、来月行います当事務所の8周年セミナーもまさにそんな感じの切り口で、お話しさせていただく予定です。

 おかげさまで大勢の方からご参加の連絡をいただいています。早割wの期限はいよいよ23日までになっていますので、ご参加をお考えの方はぜひお早めにお申し込みください!

>>> https://www.door-kigyouhoumu.net/seminar/20190711


 というわけで今週はこのあたりで。
 今後ともよろしくお願いいたします。

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