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▼第107号 ホライズンメールマガジン
----------企業が注意したい司法取引制度
2018/06/01
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毎週金曜日発行
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1.最新トピックオピニオン
2.今週のオススメ
3.近況報告
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1.最新トピックオピニオン
今まで認められていなかった司法取引の制度が今日から日本でも正式に始まることとなった。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31218240R30C18A5EA1000/
司法取引というと刑事事件に関する手続だから企業とか関係ないのでは?と思われるかもしれない。ただ、そうとは言い切れないのが実情である。今回はこの点を検証してみたい。
さて、まず司法取引ってなに?ということなのであるが、日本で認められた司法取引というのは、簡単にいうと、捜査に協力をすることで自分の刑事責任を軽くしてもらう制度のことである。
例えば、大規模な振り込め詐欺の事件で捕まった被疑者が、その組織のトップの人間について捜査機関に情報を提供することで、自分の刑事責任を軽くしてもらう、といった形である。
これまでも、組織的な犯罪などで情報提供を行った被疑者は、反省している、等の形で評価されることはあったが、今回の法改正で、そのような情報提供が公式な形で協力が評価されることとなった。
ちなみに、司法取引というと、アメリカの法廷ドラマなどで弁護士と検察官とが、「罪を認めれば3年の懲役でいいがどうする?」といった形で交渉をしている場面を想像される方がいらっしゃるかもしれない。これは、自白をすることで刑を軽くする形での司法取引であるが、今回の法改正ではこのような形での司法取引は導入されていないので注意が必要である。
さて、この司法取引の制度であるが、どんな犯罪についてすべて認められるというわけではない。司法取引の対象となる犯罪としては、詐欺事件や覚せい剤などの薬物事犯の他、贈収賄や粉飾決算、談合など、企業活動に伴うものも数多く対象となっている。
企業として気をつけなければならないのは、まさにこれらの企業活動がらみの犯罪での司法取引である。
そもそも、司法取引で懸念される点としては、実際には自分が首謀者なのに、第三者に指示されたからやったのだ、等と供述をして、自分の刑事責任を軽くしようとするという事態である。
例えば、企業が絡んだ贈収賄事件で、実際には全く関知していなかった上司に指示されたと供述する場合などが想定される。
この場合、組織ぐるみの犯罪である等となってくれば企業としてのレピュテーションリスクは非常に大きなものになってしまう。
また、ここでいう第三者には法人も含まれる。法人が罰金刑の対象となっている犯罪などでは法人自体に罪がなすりつけられる懸念もある。
万が一従業員が犯罪行為に関与してしまった場合、今まで以上に企業としての真相解明に向けた取り組みが求められるかもしれない。
また、逆に従業員が犯罪行為に関与してしまった場合に、司法取引をするのか否かについては非常に悩むところになるだろう。
司法取引をするな、ということは口止めとして問題であるが、実際にその場でどう対応するかは非常に苦しい決断となるだろう。
いずれにしても、今後、どのように運用されていくかなど、まだまだ流動的な点も多い。今後の動向を注視していく必要があるだろう。
※ LEGAL NEWS TOPICS(毎週月曜更新)
>>> http://www.horizon-law.jp/news/legal-news-topics-vol-112/
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2. 今週のオススメ
当事務所では毎週水曜日に「ホライズンのオススメ!」を更新しています。
【ホライズンのオススメ! №113】 玄米
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今回のオススメは「玄米」です。玄米が体にいいことは知られていますが、食感や独特な匂いが苦手という方も多いのではないでしょうか。今回は玄米を美味しく食べるための3つのポイントを荒井弁護士がご紹介しています。
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3. 近況報告
ついに平成最後の6月を迎えてしまいましたが皆様いかがお過ごしでしょうか?弁護士の高井です。
今回は司法取引について書きましたが、アメリカの法廷ドラマなどでは罪を認めて軽い刑に服するか?といった駆け引きが描かれてドラマに深み?がもたらされたりしています。
笑い話では、審理が長くなったことに苛立った陪審員がイスを蹴り上げた音が鳴り響いて動揺した被告人が司法取引に応じて陪審員が解放されました、なんてのもあったりするみたいです。
残念ながら今回の改正ではこのような自白型の司法取引は認められてませんし、裁判員裁判対象事件も対象ではないのでこのようなことは起こりえません。
さて、今日6月1日午後には話題となったハマキョウレックス事件、長澤運輸事件の最高裁判決が言い渡されます。ちょっと興味深いところです。
というわけで今週はこのあたりで。今後ともよろしくお願いします。
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