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暴力団排除条例と暴力団排除条項

1.はじめに

契約書に、次のような「暴力団排除条項」(暴排条項)が見られることが多くなってきました。そこで、暴排条項とその関連知識、従業員への適用などについてご説明します。

(反社会的勢力の排除)
第●条 甲および乙は,現在,暴力団,暴力団員,暴力団準構成員,暴力団関係企業,総会屋,社会運動等標榜ゴロまたは特殊知能暴力集団等,その他これに準ずる者(以下,「反社会的勢力」という)のいずれでもなく,また,反社会的勢力が経営に実質的に関与している法人等に属する者ではないことを表明し,かつ将来にわたっても該当しないことを確約する。

2 甲または乙は,相手方が次の各号のいずれかに該当する場合,何らの催告をすることなく契約を解除することができ,相手方に損害が生じてもこれを賠償することを要しない。
 ① 反社会的勢力に該当すると認められるとき
 ② 相手方の経営に反社会的勢力が実質的に関与していると認められるとき
 ③ 相手方が反社会的勢力を利用していると認められるとき
 ④ 相手方が反社会的勢力に対して資金等を提供し,または便宜を供与するなどの関与をしていると認められるとき
 ⑤ 相手方または相手方の役員もしくは相手方の経営に実質的に関与している者が反社会的勢力と社会的に非難されるべき関係を有しているとき
 ⑥ 自らまたは第三者を利用して,暴力的な要求行為,法的な責任を超えた不当な要求行為,脅迫的な言動,暴力および風説の流布・偽計・威力を用いた信用棄損・業務妨害その他これらに準ずる行為に及んだとき

2.暴力団排除条例

暴排条項は、暴力団排除条例が各都道府県で制定されて以降、あらゆる契約書に導入されるようになりました。

2009年(平成21年)10月に福岡県暴力団排除条例が成立し、その後1年半程度の間に,全国47都道府県で暴力団排除条例(暴排条例)が次々と成立しました。
暴排条例は,事業者に対しては,契約時に相手方等が暴力団関係者でないことの確認をするよう求めたり,暴力団関係者へ利益供与を禁止するなどの規定を定めているのが一般です。

例えば,東京都暴力団排除条例(都暴排条例)には,次の規定があります。

(事業者の契約時における措置)
18条 事業者は、その行う事業に係る契約が暴力団の活動を助長し、又は暴力団の運営に資することとなる疑いがあると認める場合には、当該事業に係る契約の相手方、代理又は媒介をする者その他の関係者が暴力団関係者でないことを確認するよう努めるものとする。

2 事業者は、その行う事業に係る契約を書面により締結する場合には、次に掲げる内容の特約を契約書その他の書面に定めるよう努めるものとする。
一 当該事業に係る契約の相手方又は代理若しくは媒介をする者が暴力団関係者であることが判明した場合には、当該事業者は催告することなく当該事業に係る契約を解除することができること。

(以下略)

都暴排条例181項については,「契約が暴力団の活動を助長するなどの疑いがある場合」に確認を求めることとしているので,一般の取引では「誓約書」の提出まで求められることは少ないでしょう。

他方,同条2項については1項のような限定がないので,暴排条項が盛り込まれた契約書は多く見られます(なお、前掲した暴排条項の第1項は、「誓約書」と同じ役割を持ちます)。

なお,都暴排条例18条の義務は「努力義務」であり,違反に対する制裁はありませんので,取引にあたって必ず誓約書や暴排条項を取り入れなければならないというわけではありません。暴排条例の目的は市民や事業者に暴力団との関係を断つ機会を与えて暴力団の活動の場を縮小することにあり,市民や事業者の規制は本来的な目的ではないからです。

しかし,企業としての社会的な姿勢を示すためにも,取引先から暴排条項の導入を求められたら,拒否することは難しいでしょう。

3.従業員採用時の提出書類への導入

取引時の「誓約書」に倣い,従業員の採用時に従業員から暴排の「誓約書」の提出を求めるのも一計です。採用時の提出書類として、従業員から誓約書を提出してもらう事業者がほとんどですので、この誓約書に暴排の条項を入れることになるでしょう。

「私は,暴力団員ではなく,暴力団又は暴力団員(以下,「暴力団等」という。)を不当に利用し,暴力団の維持・運営に関与し,又は暴力団等と社会的に避難されるべき関係を有するなど暴力団等との密接な関係を有していないことを表明するとともに,採用後も暴力団等と密接な関係を持ちません。」

前述したように、都暴排条例18条は,契約が暴力団の活動を助長するなどの疑いがある場合は契約の相手方等が「暴力団関係者」でないことの確認を求め(1項),契約書には契約の相手方等が「暴力団関係者」であることが判明した場合には契約を解除できる特約を設けることなどの努力義務を規定しています。

そして,「暴力団関係者」(大阪府暴力団排除条例では「暴力団密接関係者」という用語を用いています)の意味については,同条例24号で,「暴力団員又は暴力団若しくは暴力団員と密接な関係を有する者をいう。」と規定されています。

ここで,「暴力団若しく暴力団員と密接な関係を有する者」については、例えば,①暴力団又は暴力団員が実質的に経営を支配する法人等に所属する者,②暴力団員を雇用している者,③暴力団又は暴力団員を不当に利用していると認められる者,④暴力団の維持、運営に協力し、又は関与していると認められる者,⑤暴力団又は暴力団員と社会的に非難されるべき関係を有していると認められる者が挙げられています(警視庁ホームページの「東京都暴力団排除条例Q&A」Q6)。

このうち,⑤の「暴力団又は暴力団員と社会的に非難されるべき関係を有している」の判断も難しいところですが,例えば,①相手方が暴力団員であることを分かっていながら、その主催するゴルフ・コンペに参加している場合,②相手方が暴力団員であることを分かっていながら、頻繁に飲食を共にしている場合,③誕生会、結婚式、還暦祝いなどの名目で多数の暴力団員が集まる行事に出席している場合,④暴力団員が関与する賭博等に参加している場合が挙げられています(同「Q&A」Q7)。

4.服務規律への導入

就業規則に,従業員と暴力団関係者との関わりを禁止する規定を設けることは,企業としての姿勢を示す上でも有効な方法といえます。暴力団排除条例は成立して間もないため,就業規則で対応している事業者は多くないと思われますが,今後,増えていくでしょう。

服務規律の条項は,禁止事項を(1)(2)・・と列挙するのが一般なので,この禁止事項に暴排条項を加えることになります。

(服務規律)
第●条  従業員は,次の各号に定める事項を遵守しなければならない。

(1) 許可なく職務以外の目的で会社の施設,物品等を使用しないこと。
(2) 職務に関連して自己の利益を図り,又は他より不当に金品を借用し,若しくは贈与を受ける等不正な行為を行わないこと。
(3) ・・・・
(4) ・・・・
(5) 暴力団又は暴力団員(以下,「暴力団等」という)を不当に利用し,暴力団の維持・運営に関与し,又は暴力団等と社会的に非難されるべき関係を有するなど,暴力団等との密接な関係をもたないこと。
(6) ・・・・

(弁護士 坂東利国)

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