正式名称を「国際物品売買契約に関する国際連合条約」(United Nations Convention on Contracts for the International Sale of Goods)といい、昭和55年4月11日に採択され、昭和63年1月1日に発効していた。日本は長期間締約国となっていなかったが、平成20年に至ってようやく締結し、平成21年8月1日より効力を生ずることとなった。これまでにアメリカ、カナダ、中国、韓国、ロシア、オーストラリア、ドイツ、フランスなど、多くの国が締約国となっている(なお、英国は締約国となっていない)。
ウィーン売買条約が対象とするのは「営業所が異なる国に所在する当事者間の物品売買契約」なので、国内の個人との取引はもとより、国内のみで事業を行っている企業間の取引には何ら影響しない。なお、直接は関連しないが、近時議論されている民法(債権法)改正では、ウィーン売買条約を含めた国際ルールに準ずる形で改正を行うことも議論されているので、その意味では注意が必要となることもあると思われる。