企業法務TOPICS　№069

　ご質問ありがとうございます。

　以前は株式会社については原則として株券を発行するものとし、例外的に株券を発行しないと定款で定めた場合に、株券を発行しないことができるものとされていました。

　ただ、その後の法改正で、現在の法律では、逆に株券を発行しないことが原則で、株券を発行すると定款で定めた場合に株券を発行するものとされています。

　この法改正がされたタイミングで、それ以前に存在していた会社で、株券を発行しない、としていなかった会社は自動的に株券を発行する定めをしていたものと見なされ、その旨登記されたので、現在の謄本を見ると、株券を発行するとの記載があります。

　ただ、実際には株券を発行しているケースは特に中小企業の場合にはほとんどないのが実情です。

　そして、会社法では、株式の譲渡制限がある会社では、株主から求めがあるときまでは発行しないことができるとされています。

　そのため、現状のままで発行していなくても特に問題はありません。