2016/03/31  会社法  

企業法務TOPICS №006

前回に引き続き、会計帳簿の閲覧請求を受けた会社側の対応についてのご相談です。

激闘!?会計帳簿閲覧請求5

 ご相談
―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 

 先日会計帳簿閲覧請求を拒める場合が限定されていることを社長に説明したのですが、社長はこの株主は会社の利益を害そうとしているのだから拒絶して問題ない、といっています。

 拒否した場合、相手はどのような手を取ってくることが考えられますか?

 なんとか争わずに済ませるには今の状況でなにかいい方法はないでしょうか? 

回答

  1.   こちらが開示請求を拒絶するのに正当理由があると考えて拒絶したことに対して相手方が納得をしない場合、相手方としては裁判所での訴訟手続きの中で開示請求を行ってくることが考えられます。
     また、訴訟で争っている時間がないような場合、閲覧をさせろいう仮処分が認められるのかという点は議論があるところですが、最近ではこれを認める裁判例も出てきていますので、仮処分を求めてくることも考えられるところです。
     その他、開示を拒んだことによって相手方に損害が生じたような場合には、損害賠償請求などが同時に行われる可能性もあるので注意が必要です。
     
  2.  閲覧もさせず、さらに争わずに済ませる方法というのもなかなか難しいところですが、今回のケースでは1人では保有要件を満たさない2人の株主が共同して閲覧請求を行ってきています。ちょっとイレギュラーな議論ですが、例えば1人の株主を説得して請求を取り下げてもらえば、保有要件の関係で開示する必要はなくなります。その他、1人の株主から株を買い取るなどして株主でなくなれば当然開示請求は行えなくなってきます。

ホライズンのメールマガジン(無料)

ホライズンパートナーズ法律事務所では週1回、メールマガジンを発行しています。当サイトの企業法務TOPICS更新情報のほか、企業法務等に関する近時のニュースや最新判例を弁護士の視点で解説します。ぜひご登録ください。

法律相談のご予約・お問合せはこちら

お気軽にお問い合わせください。

03-6206-1078

電話受付時間:平日 9:30〜20:00

パソコン|モバイル
ページトップに戻る