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債権回収の基本 「証拠」の管理

「回収」を意識した債権管理① 回収リスクを減らすための証拠

取引先の支払が滞り、交渉でも埒があかない場合には、裁判(民事訴訟)をすることになります。

ここで強調しておきたいのは、裁判は、「真実」を追及する場ではなく、「証拠」から最も合理的に説明しやすい事実を認定する場だということです。
ですから、「証拠」がなくこちらの主張を立証できなければ、相手が嘘をついていてもこちらの主張は認めてもらえず、敗訴してしまいます。「相手担当者はこのように言っていたんです」と必死に訴えたところで、相手方がこれを否定すれば水掛け論になり、神ならぬ裁判官としては、「あなたの主張する事実が存在しないとまで断定はしないが、あなたの主張する事実を裏付ける証拠がないので(真偽不明というほかなく)、あなたの主張する事実を認定することはできない」と判断するしかないのです。

もちろん、直接的な証拠(例えば貸付金であれば借用証)がなくても、その他の事実から立証できることもあります(貸付金であれば、当方の出金の事実と相手方の金回りがよくなった事実などから、貸付の事実を立証する等)。
しかし、客観的な証拠が少なければそれだけ敗訴のリスクが高くなることは否定できません。
ですから、日常の取引においても、裁判を意識した証拠の確保が必要になります。

裁判を意識した証拠とは、どのようなものをいうのでしょうか。
契約にはそれぞれ特殊性があるため一概には言えませんが、例を挙げると、重要な証拠は、以下のようなものになります。以下のような証拠があれば、債権の存在を認定してもらえる可能性が高くなります。

なお、以下の証拠には、相手方の記名押印(署名捺印)が必要です。相手方の記名押印があることで、相手方が事実を認めたことになり、強力な証拠になるわけです。

(重要な証拠の例)

  • 売掛金の場合であれば、
    ・取引基本契約書(継続的取引の場合)
    ・個別の契約書
    ・(商品の)受領書
  • 貸付金であれば、
    ・借用証
  • 請負報酬であれば、
    ・基本契約書(ソフトウェア開発契約など各種の作業の請負を伴う場合)
    ・個別の契約書
    ・検収書
「回収」を意識した債権管理② 直接的な証拠に代わる証拠

日々の取引においては、実際には「契約書」を作成していないことも多いでしょう。契約書の作成は言い出しにくいという現実もあるようです。
それはそれでやむを得ないことですし、強力な信頼関係がある取引先であれば、口約束での取引もあり得るでしょう。しかしそれでも、裁判になった場合の敗訴のリスクが残ることは意識しておく必要がありますし、無用のトラブルを招きかねません(例えば、相手方の担当者が退社し新担当者になったために「そんな話は聞いていない」と言われるなど)。

では、どのような代替手段によってリスクを軽減することができるでしょうか。
まず、こちらの主張を裏付ける記載をした書面に、相手方の確認をもらっておくことです。
例えば、売掛金の場合に「契約書」に代わる証拠として考えられるのは、以下のような書面です。

  • 個々の注文ごとに、注文書を発送(Fax)してもらう。
    ポイントは、商品名、単価、数量などを記載してもらうこと。こちらで注文書のひな形を作って渡しておき、それに記入してもらうなどして、相手方の協力を得やすくする工夫が必要です。
  • 注文書をもらったら、注文請書を送付(Fax)する。
    ポイントは、商品名、単価、数量や、代金支払期限、納品場所などの合意した条件を記載しておくこと

上のような書面があれば、売買契約の存在の証明は容易でしょう。

では、取引相手が、個々の注文ごとに注文書を発送(Fax)してくれない場合はどうすればよいでしょうか。この場合は、やむを得ないので、注文があるごとに以下のような処置をするとよいでしょう。

  • 注文請書を送付(Fax)する。
    注文請書記載のポイントは上と同じですが、この注文請書の末尾に「上記を確認しました 社名(氏名) 印」などの文章を入れておいて、記名押印(担当者の署名捺印)をしてFAX返信してもらうように工夫するべきです。これで、注文請書に記載した契約の内容について、相手方との間に合意があったという強い証拠になります。
    「注文内容の行き違いを防ぐため」などの理由をつければ、FAXの返信を相手方に要求しやすいでしょう。

 

「回収」を意識した債権管理③ 確認書面すら得られない場合

相手が注文請書のFAX返信をしてくれない場合は?
この場合は、力関係でこちらが強ければ、今後は取引できないといえばよいのでしょうが、そういうわけにもいかないことが多いでしょう。
そこで、やむを得ず、以下のような方法が考えられます。

  • 注文請書をFAX送信して、FAX送信記録をプリントアウトして、注文請書とあわせて保管しておく
  • 担当者同士でメールのやりとりをするようにして、プリントアウトして保管しておく
  • 交渉メモのひな形を作っておいて、担当者がこまめに交渉経緯をメモしておく(できれば上長の確認印をもらっておく)

もちろん、上の書面には相手方の記名押印(署名捺印)が無いので、契約(合意)の証拠として弱いことを否定できません。それだけリスクの残る方法です。しかし、だからといって口約束だけで済ますわけにもいきません。FAX送信記録があれば、少なくとも相手方が合意内容を確認したといいやすくなります。

メールのやりとりがある場合も同様です。なお、大切なメールは必ずプリントアウトしておくべきです。メールデータが消失したという事例はしばしば耳にします。

交渉メモも、こちら側の内部資料に過ぎないので証拠としてかなり弱いといえます。しかし、ひな形を用いて逐次記入するようにしていれば(しかも上長の確認印までもらっていれば)、そのような交渉メモが多く残っていることで、“ルーティンとして記録を残すしっかりした会社である”という印象を裁判官に与え、認定に影響することが考えられます。

FAX送信とFAX送信記録のセットも同様です。これが多くあれば、業務上日常的に資料を保管しているということで認定に影響するでしょうし、相手方と同じような個別契約が繰り返されていてFAX&送信記録が残っていれば、今回の取引もFAX&送信記録の記載と同様の取引だったのだろうと裁判所に認定してもらいやすくなるでしょう。

このような工夫をして、業務の中でできる限り「裁判で利用できる」証拠を残していくようにしておくべきです。
上の例は売買や請負のケースですが、他の契約の場合にも、できる限り証拠の確保の工夫をしておきましょう。
既に契約が成立している場合も、契約の内容や残っている資料を点検してみてはいかがでしょうか。
必要に応じて協議などで契約内容を明確化するとともに、できれば修正契約書や覚書などを締結し、それができなければ上に書いたような代替手段によって証拠の補完を図っていくようにしていくべきです。

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